
図書館改修工事の一環で、公園に隣接する敷地内の既存の林を図書館の屋外広場スペース「本の広場」として再整備を行った。
整備エリアは、大木の林冠が空を覆う長年放置された薄暗い林であった。強風時の枯枝の落下も問題視されており、50%程度の高木を間伐し、残された木も枝抜きを行う事で明るい林を目指した。間伐により下層の既存モミジにも光が当たるようにもなったため、視線に近い位置で紅葉や花などを楽しめる樹木も追加した。撤去した幹や枝は全てチップ化し、場内に散布し利用している。
既存樹の間のスペースには、根への負担軽減と敷地の高低差解消のため、浮床木デッキによる階段状のテラスを整備した。図書館フロアレベルから約1.6m下がった隣接する読書の森公園へとゆるやかにつながるよう、大小様々な形状のテラスを配置した。柔らかく区切られたセミプライベートな空間には、段差を活かしたベンチやリクライニング型のメッシュベンチ、カウンターテーブル、置き家具などを設置する事で、多様な居場所を生み出している。また全ての段をスロープで繋ぐ事で、ベビーカーや車椅子の利用に配慮した。
利用者自らが好きな場所を選び、図書館の活動が屋外に滲み出しているような居場所作りを目指した。



















Data

杉並区中央図書館
Suginami City Library
| 竣工 | 2020年6月 |
|---|---|
| 規模 | 敷地面積 5,105.39㎡、本の広場及び周辺 約950㎡ |
| 住所 | 東京都杉並区荻窪 |
| 業務内容 | 基本設計、実施設計、設計監理 |
| 施主 | 東京都杉並区 |
| 協働 | 日総建 写真:吉田 誠 |
| 担当 | 戸田 知佐、田下 祐多、鯨岡 栞(元所員) |

