まちの日常に溶け込む、公園と一体になった図書館広場

板橋区立中央図書館

Itabashi Central Library
文化居場所をつくる広場・公園南関東
板橋区立中央図書館は、上板橋駅前に位置する板橋平和公園内に、2021年移設された図書館である。これまで板橋平和公園が長年にわたり区民に日常的に利用されてきた場であること、また大木を含む既存樹によって特徴づけられた豊かな緑環境を最大限にいかすことを前提に、公園全体の改修は最低限に留め、図書館と連続する広場を設計した。そうすることで、図書館が公園のなかに単に「置かれている」のではなく、公園と一体となり、相互に魅力を高め合う公共空間となることを目指した。
板橋区立中央図書館

新図書館は公園の東側に配置し、外周の既存樹を可能な限り残すとともに、敷地内の既存大木についても建設前に移植を行い、緑の連続性を確保している。また、中学生のマラソン練習など、これまで通り周辺住民が活動できるよう、敷地外周の動線を整備した。新図書館の東側には駐輪場を配置し、西側には広場を設計することで、公園全体と図書館とまちが自然に連続していく配置計画とした。児童コーナーや板橋ボローニャ絵本館前の広場は人工芝やデッキで整備し、カフェに隣接するエリアはキッチンカーが入ることができるように舗装。これにより、滞在やイベントなどさまざまなアクティビティを受け止める場が生まれ、遊ぶこどもを見守りながら滞在できるような関係性を、図書館周辺につくり出した。

こうした空間を成立させるため、既存樹の保存・移植計画や、舗装・デッキ・人工芝といった素材の選定について、建築計画と並行しながら検討を重ねた。利用のされ方や維持管理を見据え、関係者との密な調整を行いながら、一つひとつの要素を積み上げている。明確なコンセプトのもと、公園と図書館を重ね合わせることで、日常の延長として使いこなされる、地域にひらかれた公共空間が実現したと考えている。

児童コーナーや板橋ボローニャ絵本館とつながる広場。人工芝やデッキが整備され、イベントでも活用されている。
外周の既存樹を残しつつ、敷地内の既存大木についても建設前に移植を行い、緑の連続性を確保した(公園全体図)。
建設前、敷地内の桜の大木を移植したときの様子。

Data

板橋区立中央図書館

板橋区立中央図書館

Itabashi Central Library
竣工2021年3月
規模6,711.33㎡
住所東京都板橋区常盤台4-3-1
業務内容 基本設計、実施設計、設計管理協力
施主板橋区
協働建築:株式会社松田平田設計
写真:吉田 誠、高橋 菜生、有限会社オンサイト計画設計事務所
担当戸田 知佐、中村 智子、生田 美菜子、前田 智代
受賞歴2022年度グッドデザイン賞
第39回日本図書館協会図書館建築賞(2023年)
メディア掲載『板橋絵本のまちの中央図書館』(flick studio、2023年)
『図書館×公園』(アカデミック・リソース・ガイド、2023年)
『新建築』(新建築社、2021年12月号)
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