まちとアート空間をつなぐ緑の基壇

大分県立美術館(OPAM)

Oita Prefectural Art Museum (OPAM)
文化まちづくり都市広場・公園九州
大分県立美術館(OPAM)は、旧・県立芸術会館の老朽化や展示スペース不足といった課題を解決するために新設された美術館である。国道197号(昭和通り)沿いに位置し、大分市都市計画マスタープランにおける南北の緑の景観軸上で大分城址公園と対をなす関係にあり、都市の骨格を形成する上で重要な位置に計画された。したがって、大分城址公園と同様に当施設も緑の拠点と位置づけ、将来的に緑の景観軸の受け皿となり、都心の緑へと発展していく契機となるランドスケープデザインを目指した。
大分県立美術館(OPAM)

本計画では、まちにひらかれたオープンミュージアムを実現するため、南側の国道197号と可能な限りシームレスにつながる構成とし、駐車場や搬出入動線は北側に集約することで、歩行者と車両を明確に分離するゾーニングを行った。建築は大分県の伝統工芸を象徴する箱型の外観として設計されたのに対し、ランドスケープでは、その工芸品のような箱が緑の上に浮かび上がるように、施設の基壇となる緑の配置を提案している。

国道197号は片道3車線の大通りであり、前面に配置する緑にはそれに負けない大きなスケールの高木が求められた。一方で、津波対策として建築の床を道路面より1m以上高く設定する必要があり、その高低差を処理する階段と高木植栽との取り合いが課題であった。これに対し、根や植栽基盤の一部を歩道に越境させる協議を行い、階段にも食い込むように緑地を配置することで、施設の基壇を形成する大きなケヤキ並木を実現している。

また、西側の広場ではさまざまなイベント時の集客に対応できるように、駐車場としての活用が可能な舗装パターンと緑地を計画した。これらの工夫により、美術館とまちを緑でつなぎながら、柔軟な使い方ができるランドスケープとなっている。

基壇に沿って連なるケヤキ並木と、段差をまたいで広がる緑地。
都心の緑をつなぐ景観軸と、その受けを担う拠点(OPAM/大分城址公園)。

Data

大分県立美術館(OPAM)

大分県立美術館(OPAM)

Oita Prefectural Art Museum (OPAM)
竣工2015年4月
規模13,517.74㎡
住所大分県大分市寿町2番1号
業務内容 基本設計、実施設計、設計監理
施主大分県
協働建築:坂茂建築設計
照明:株式会社ライティングプランナーズアソシエーツ
サイン:株式会社コミュニケーションデザイン研究所
電気・機械設備:オーヴ・アラップ・アンド・パートナーズ・ジャパン・リミテッド
写真:吉田 誠
担当三谷 徹、鈴木 裕治、原 行宏
メディア掲載『新建築』(株式会社新建築社、2015年7月号)
『GA JAPAN 135』(株式会社エーディーエー・エディタ・トーキョー、2015年7月号)
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Location

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