
音楽ホールとアートファクトリーなどの市民活動施設をもつ公共空間のランドスケープデザイン。戸建て住宅街の中に突如として現れるホール施設と敷地の半分を占める2haの駐車場を周囲の景観といかに調和させるかを課題にデザインはすすめられた。 建物の北側と南側には冬の風雪を防ぐエゾアカマツの防風林と夏に木陰をつくる落葉樹の林による丘を配置した。ホールのボリュームはこの丘と林の造形により周囲の風景にとけ込み、地域のランドマークとなるよう計画されている。また、この林の中には、アートファクトリーを配置し屋内外のアクティビティを連続させている。 敷地の半分を占める駐車場にはカラーコンクリートや芝ブロック舗装が使われ、広大な面積が単調にならないようなグラフィックパターンが施されている。 駐車場に隣接する広場には、高さ2.7mの楕円形のマウンドとその尾根線を登るアースワークベンチが8ユニット配置されている。木デッキとコールテン鋼によりつくられたアースワークベンチは、マウンドの立面を強調し、広場を周囲の空間から差別化する。ベンチにはハウチワカエデとヤマモミジが4本ずつ植栽され、美しい北国の紅葉を提供している。



















Data

北上市さくらホール
Kitakami Cultural Center Landscape Design
| 竣工 | 2003年 |
|---|---|
| 規模 | 敷地面積57,000㎡ リバーウォーク6,000㎡ 建築面積9,500㎡ |
| 住所 | 岩手県北上市 |
| 業務内容 | 基本設計、実施設計、設計監理 |
| 施主 | 北上市 |
| 協働 | 建築:久米設計・高橋設計 照明デザイン:LPA |
| 担当 | 長谷川 浩己、戸田 知佐、廣松 奈美子(元所員) |

