高密度市街地の空をひらく、明るく立体的なキャンパスコート

東京工芸大学 中野キャンパス

TOKYO POLYTECHNIC UNIVERSITY Nakano Campus
教育居場所をつくる都市広場・公園南関東
東京工芸大学中野キャンパスは、狭小で高密度な住宅地のなかに複数棟が散在する都市型キャンパスである。このプロジェクトの敷地は、そのなかでも3棟が集積する最も大きなエリアに位置する。建物に囲まれた中央には中庭を計画し、オープンスペースが不足しがちな周辺環境において、学生や教職員が集い、交流し、活動を共有するための公共空間となることを目指した。
東京工芸大学 中野キャンパス

本計画は、地下1階レベルの「コートヤード」、2階レベルの「図書館前広場」「グリーンコート」、そしてそれらをつなぐ「ステップガーデン」による3層構成とし、「視線と動線が立体的に交わる中庭」をコンセプトとしている。

1階の「コートヤード」はキャンパスの中心となる最大のオープンスペースであり、地下1階のレストラン・カフェと連続していることから、人が集まりやすい。学内イベントの会場として幅広く使われているほか、一画に設けたBBQコーナーは、建築内から屋外へと活動が滲み出すよう、建築内にも点在しているフォリー(居場所となるユニット)とも呼応する設えとしており、ゼミやレクリエーションの場として日常的に活用されている。

「ステップガーデン」は段状の小広場で、コートヤードを眼下に望み、周囲の建物やアクティビティを一望できる「キャンパスの観客席」のような空間である。縁に腰掛けたり、デッキに上がり込んだりと多様な座り方を許容する居場所である一方、学生の主動線にもなっているため、床の色分けによって段差の視認性を高め、動線と滞在の両立を図った。ここに来れば誰かと出会え、キャンパスの活気を感じられる。

2階奥の「図書館前広場」は部室に隣接しており、学生の創作活動での利用も想定して、あえてラフな仕上げとした。一方「グリーンコート」は南側に位置し、コートヤードを望むように傾斜をつけた芝生とベンチを設け、太陽の光を受けながらくつろげる、シンプルながら快適な居場所となっている。

このようにそれぞれ異なる性格を持ちながら互いに連結した、立体的な構成により、中庭は周囲に建物が迫る環境にありながらも十分な日差しが届き、明るく、空の広さを感じられる開放的な場となった。学生たちが授業の合間に憩うだけでなく、自由に集い、互いの情報を交換し、体験を共有できる場としての機能を期待している。

地下1階から2階をつなぐ「ステップガーデン」の3層構成。
図書館前広場。

Data

東京工芸大学 中野キャンパス

東京工芸大学 中野キャンパス

TOKYO POLYTECHNIC UNIVERSITY Nakano Campus
竣工2014年3月
規模7,680.74㎡
住所東京都中野区本町2-9-5
業務内容 基本設計、実施設計、設計監理
施主学校法人東京工芸大学
協働建築:株式会社坂倉建築研究所
照明:有限会社ICE都市環境照明研究所
写真:吉田 誠
担当長谷川 浩己、野田 亜木子(元スタッフ)、亀山 本果(元スタッフ)
メディア掲載『近代建築』(近代建築社、2014年9月号)
関連リンク

Location

Back to Index