
自動車産業を牽引するHondaのためのランドスケープである。10haの敷地の核をつくり出すのが、巾80m全長300mにおよぶ巨大なアースワーク、「緑の丘」である。「緑の丘」は、ヴィジター駐車場を中心とする建築施設を内包する混成系アースワークであり、これら建築施設との合体が独特の風景をつくり出してくれる。それは「大地性」と建築の「透明性」が重複する風景である。来訪者は、斜面にそう緩やかなスロープに沿ってアースワーク上部に達し、ブリッジを渡って、各棟へのエントランスが控える中央庭園エリアに出る。この彫刻的アプローチにひっそりと寄り添うように現れるのが南北に連続する小さな庭の連続帯である。これは古参の従業員が自慢とした旧生産ラインの長さを記念したものであり、これから新しい社員によって育てられてゆく野花やハーブ類のための空間となるであろう。このアースワーク「緑の丘」は、同時に周辺住区に対しても、豊かな緑の景を供することとなった。























Data

Honda和光ビル
Honda Wako Building
| 竣工 | 2005年8月 |
|---|---|
| 規模 | 97,729㎡ |
| 住所 | 埼玉県和光市本町 |
| 業務内容 | 基本設計、実施設計、設計管理協力 |
| 施主 | 本田技研工業 |
| 協働 | 建築、構造、設備:久米設計 照明:近田 玲子 |
| 担当 | 三谷 徹、鈴木 裕治、鈴木 千穂 |
| 受賞歴 | 緑の都市賞国土交通大臣賞、グッドデザイン賞2005 |

