
大阪駅前に現れた高層商業ビルの足下となる街角広場である。この広場は、ふたつの建築エントランスホールと外部広場、さらには地上広場と地下空間を一体化する「多孔性立体広場」である。断片的な都市の諸相を、ひとつのストーリーで連続させ一体化するために、「緑のカスケード」が考案され挿入された。「緑のカスケード」は独自に考案された水耕システムであり、大きな吹き抜け空間に軽やかに浮遊する緑段を実現し、建築内外を立体的に相互貫入する。このため、地上でも地下でも訪れる人々は、植物の息吹きと柔らかい光の拡散に迎えられることとなる。広場にはこれと並行して、おむすび型の光穴があけられており、地下通路にさわやかな外光が取り入れられている。日没後は、これら種々の穴から都市活動の光がにじみ出て、独特の景観をつくりだす。この「多孔性立体広場」は、都市における高層棟の足下に、日本人好みの襞のある空間を創り出してくれている。



















Data

ヒルトンプラザ ウエスト前広場
THE HILTON PLAZA WEST Landscape Design
| 竣工 | 2004年7月 |
|---|---|
| 規模 | 約1,600㎡(地上広場部分) |
| 住所 | 大阪市北区梅田 |
| 業務内容 | 基本設計、実施設計、設計管理協力 |
| 施主 | 第二吉本ビルディング、阪神電気鉄道、望月建設 |
| 協働 | 建築・構造・設備:竹中工務店 照明:角舘政英 サイン:廣村正彰 オブジェ:海老塚耕一 水耕システム協力:朝日興産 写真:吉田 誠 |
| 担当 | 三谷 徹、戸田 知佐、金光 弘志(元所員)、丹野 麗子 |

