
結婚式のための神聖且つ特別な場所をつくるため、強い領域感の感じられる空間を志した。その領域感を創り出す装置として、ミズナラとヤマザクラの疎林がつくられた。柔らかな緑のボリュームで敷地全体を覆うことにより、チャペルを包み込んだ「領域」が形成される。また、この疎林は視覚的に奥の林とつながるため、中庭に狭苦しい感覚を与えることなく、ここだけの領域感を演出する。
緑の領域の中に、ゾウリムシのような洋芝のフロア、池、せせらぎ、地面におかれた花束のようなポットピットなどが点在する。これらはみな柔らかい自然の要素だが、同時に少しずつ日常とはずれた”たたずまい”を創り出している。
洋芝のフロアがシャンパントーストの場所であるのを初めとして、この庭は待合いから儀式、写真撮影から解散まで、さまざまな結婚式の場面に登場する舞台であり、従ってさまざまな場所からみられる関係にあるため、庭のデザインとしては、 いろんなアングルからの見え方の変化を重要視し、一連のシークエンスがよりドラマチックな効果を生むように考慮している。



















Data

リゾナーレ・ガーデンチャペル ZONA
Risonare garden chapel ZONA Landscape Design
| 竣工 | 2004年 |
|---|---|
| 規模 | 71,379.24㎡ |
| 住所 | 山梨県小淵沢町 |
| 業務内容 | 基本設計、実施設計、設計監理 |
| 施主 | リゾナーレ(星野リゾート) |
| 協働 | 建築:クライン・ダイサム・アーキテクツ 設備:テーテンス事務所 構造:アラップ・ジャパン |
| 担当 | 長谷川 浩己、戸田 知佐、丹部 一隆 |

