
インターシティとグランドコモンズという高層ビル群にはさまれた45m×400mの南北に長い都市広場は、品川区港区の公園、7事業区画からの提供空地、壁面後退空地よりなりたっている。この空地を一つの大きな広場としてデザインするため、「みちもり広場」という考え方が導入された。
「みち」は浅草仲見世通りや原宿表参道のような、みちゆく空間が日本人の屋外空間の過ごし方に心地よい身体距離をもたらすのではないかと考えられた空間形状である。また、セントラルガーデンは、北側の駅前広場側、南側の都営住宅側では1階レベルに、中央付近では、建物の地下1階の商業施設と同じレベルに接続するため、緩い大きな円弧を描く窪んだ弓形の地形をしており、このみち空間を強調するデザインとしている。
「もり」であることは社寺の境内や鎮守の杜のような空間をイメージしている。杜の主要樹木は、樹形が端正であること、そのハート型の葉が風になびいて美しい事、秋の黄葉が鮮やかであることなどからカツラが植えられている。5本のカツラを一組とした「ツリーバー」が南北方向に等ピッチに並べられる事により敷地の長さを強調する緑のボリュームがつくられる。























Data

品川セントラルガーデン
Shinagawa Central Garden
| 竣工 | 2003年 |
|---|---|
| 規模 | 18,180.00㎡ |
| 住所 | 東京都港区・品川区 |
| 業務内容 | 基本設計、実施設計、設計監理 |
| 施主 | A-1地区:興和不動産(株)、住友生命保険相互会社、(株)大林組 B-1地区:三菱商事(株)、キャノン販売(株)、近鉄不動産(株)、太陽生命保険(株)、大東建託(株)、東京建物(株)、トータルハウジング(株)、日本土地建物販売(株)、三菱重工業(株) |
| 協働 | 建築:日本設計(A-1地区) 建築:松田平田設計(B-1地区) フォリー計画:環境美術研究所、アソシエイテッド・アーツ 植栽計画:エコル 照明計画:近田玲子デザイン事務所 ブリッジ構造計画:播設計 写真:吉田 誠、オンサイト計画設計事務所 |
| 担当 | 三谷 徹、戸田 知佐、廣松 奈美子(元所員)、杉浦 栄(元SEDO所員) |
| 受賞歴 | 2004:グッドデザイン賞、2018:日本造園学会賞 |

