
浜名湖に面する舘山寺温泉にある星野リゾート界 遠州の庭である。この宿泊施設はご当地楽として日本一のお茶処にちなんだ「美茶楽」のおもてなしでお茶の持つ味わいや美しさを再発見することを大きな魅力としており、庭にもこのお茶を栽培する茶畑の美しさを遠州紬という織物で表現される帯のパターンとして演出した。
このストライプ状の帯は常緑樹のお茶の木だけでなく落葉樹のドウダンツツジと交互に繰り返すことによって、新緑、萌芽、花卉、紅葉、落葉と季節ごとにさまざまな色を見せる。庭の敷地は高低差のあるマウンドによって高さに奥行き感を持たせて浜名湖の水面と連続する遠景を借景にしている。
温泉を楽しんだ後、お茶の間ラウンジから続くソファや畑の中にある四阿やベンチなど周縁や内部のあちこちに居場所をつくりだし、くつろぐ場を提供している。
お茶の木も原種を含む4種の栽培品種を用いて収穫期をずらしながら長期に渡って茶摘みのアクティビティを可能にし、摘みたての新茶をその場で煎り、味わうことによって深くお茶についての文化や生態を知り得ることのできる茶庭、もとい「茶畑の庭」として成立させている。



















Data

界 遠州「つむぎ茶畑」
KAI Enshu「Tsumugi Chabatake」
| 竣工 | 2018年7月 |
|---|---|
| 規模 | 2,278.09㎡(前庭) |
| 住所 | 静岡県浜松市西区舘山寺町399-1 |
| 業務内容 | 基本設計、実施設計、設計監理 |
| 施主 | 株式会社星野リゾート |
| 協働 | 照明:ICE 構造:ASD 設備:タクトコンフォート 写真:吉田 誠 |
| 担当 | 長谷川 浩己、鈴木 裕治、生田 美菜子、鯨岡 栞 |

