
大分県中津市の中心から10kmほど離れた場所に風の丘は位置している。併設している葬祭場の庭も兼ね、公園としても利用されている。この場所は古くは弥生時代から人々を祀った墓地として、各時代の大量の古墳が発掘されている。この計画では「アースディッシュ」と呼んでいる凹状の楕円形を現代の地上絵として建築と絡みながら配置し、発掘された遺跡群と共に並列にならべている。「アースディッシュ」の外周には園路が設けられ、人々の意識を楕円の中心とその方向を結びつけている。この園路には地と空への意識を表す尺度、そして南の八面山、東の薦神社など、敷地との関連性のある方位が刻み込まれている。楕円の中心には風のベンチと呼んでいるモノリスを据えている。丘に吹く「風」は方位によって、様々な音へと変換され、モノリス下の古井戸から、ささやくように鳴り響く。
※当プロジェクトはササキエンバイロメントデザインオフィス(SEDO)にて設計されたものです。



















Data

風の丘
Kaze no Oka
| 竣工 | 1997年 |
|---|---|
| 規模 | 33,316.00㎡ |
| 住所 | 大分県中津市 |
| 業務内容 | 基本設計、実施設計、設計監理 |
| 施主 | 大分県中津市 |
| 協働 | 建築:槇総合計画事務所 音環境デザイン:庄野 泰子 土木:小幡 一之 写真:オンサイト計画設計事務所 |
| 担当 | 三谷 徹、長谷川 浩己、鈴木 裕治、杉浦 栄(元SEDO所員) |
| 受賞歴 | 1998:造園学会賞 2003:グッドデザイン賞金賞 |

