
ここではイベントのあるなしに関わらず常にいろいろな気配に満ちた場所の創造を目指している。それは時に人の気配であり、地の気配であり、移りゆく季節の気配でもある。地面は緩く隆起し、そのままセンターの床となって建築の内外を貫いている。緩く張った大地は駅前に視覚的なボリューム感を生み出し、向かいの道路の見えをごく自然に遮蔽し、広場全体を眺める小高い視点へ、さらに建築内部へと知らず知らずに人を誘導する。三角形のモジュールは部分的にめくれあがり、芝ユニットとして広場を覆っている。ユリノキの林は駅前に大きな緑の領域を作り出し、駅前広場、多目的広場、そして地域交流センター、全てをその中に包み込んでいる。芝ユニットのベンチへ木陰をもたらし、センターのひだの間に入り込み、私たちはどこにいても木立を通じて自然の、季節の気配を感じることができる。
※当プロジェクトはササキエンバイロメントデザインオフィス(SEDO)にて設計されたものです。



















Data

ビックハート出雲及び多目的広場
Big Heart Plaza
| 竣工 | 1999年 |
|---|---|
| 規模 | 5,531.84㎡ |
| 住所 | 島根県出雲市 |
| 業務内容 | 基本設計、実施設計、設計監理 |
| 施主 | 出雲市 |
| 協働 | 建築:シーラカンス 音環境デザイン:庄野 泰子 照明:ライティングプランナーズアソシェーツ |
| 担当 | 長谷川 浩己、三谷 徹、鈴木 千穂、杉浦 栄(元SEDO所員) |

