
虎渓用水広場の再整備では、「いつでも魅力的で立ち寄りたくなる場所」を目指し、「日常時でもイベント時でもいろいろな使い方ができるいつも活気ある場所」「水と緑が重なり合い気持ちのいい居場所」「ほかのどのまちにもないここだけの駅前風景」などの目標が掲げられた。こうした方針の策定には、行政・市民団体・ランドスケープアーキテクトによる官民連携の組織が結成され、地域住民との意見交換やワークショップなど参加型プロセスが導入された。丁寧な対話と検証を重ねたことで、地域固有の魅力が引き出され、整備に留まらない価値創出へとつながった。
全体的な地形はすり鉢状に掘り下げられており、駅を含むあらゆる方向から広場全体を見渡すことのできる構成となっている。これによって、周囲から広場のにぎわいを感じられ、人々が自然と広場へ誘い込まれるような仕組みが生まれた。すり鉢状の地形内をめぐる水路は園路(庭や公園内の歩行者用通路)から近い高さに設定され、水が落ちる仕掛けを設けることで、心地よい水音が響く、憩いの居場所となっている。
東屋のあるテラスや小広場、園路などの要素は、水路と相互に干渉し合うように設計され、どこにいても水の気配が感じられる。テラスは、日常的にランチや打ち合わせ、勉強などに使われ、イベント時にはビアガーデンの会場となるなど、さまざまな場面に対応する「公共の居間」となっている。












Data

虎渓用水広場
KOKEIYOSUI SQUARE
| 竣工 | 2016年6月 |
|---|---|
| 規模 | 3,657㎡ |
| 住所 | 岐阜県多治見市音羽町1丁目地内 |
| 業務内容 | 基本設計、実施設計、設計監理 |
| 施主 | 多治見市 |
| 協働 | 建築:エルケーデザインオフィス 土木:玉野総合コンサルタント株式会社 構造:リズムデザイン=モブ 照明:ICE都市環境照明研究所 サイン:岩松 亮太 電気設備:玉野総合コンサルタント株式会社 環境・社会調査:玉野総合コンサルタント株式会社 写真:吉田 誠、多治見まちづくり株式会社、有限会社オンサイト計画設計事務所 |
| 担当 | 長谷川 浩己、丹野 麗子、亀山 本果(元スタッフ)、落合 洋介 |
| 受賞歴 | LANDSCAPE ARCHITECTURE AWARDS 2023 OUTSTANDING AWARD 2020年度グッドデザイン賞 グッドフォーカス賞(地域社会デザイン) 土木学会デザイン賞 優秀賞 (2020年) |
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