
名取市文化会館は文化の森という大きなフレームの中に位置している。文化の森は市の中枢ゾーンを包含した細長いエリアに、ケヤキの列植とランダムに散らばる修景木によって、緑の島を再出現させることを意図したものである。
文化会館は二つの異なる顔を持ち、それぞれに対応して二つの庭が森の中につくられた。ホールへと向かう北側の庭は、斜めに走るいくつもの稜線が、建築のラインと呼応しながら伸びやかで大きな緑のアースワークをつくりだし、劇場の前庭として象徴的に存在する。対照的に市民が普段から利用する南側には、柔らかくうねるアースワークと波打つ園路、四阿、大きな縁側としてのデッキ、これらが一体となって表玄関から少し隠し込まれたコミュニティの庭をつくっている。森とアースワーク、このキーワードの共有の上に、二つの異なる庭は成立している。
※当プロジェクトはササキエンバイロメントデザインオフィス(SEDO)にて設計されたものです。



















Data

名取市文化会館シーパイン
Natori Performing Arts Center "Sea Pine" Landscape Design
| 竣工 | 1997年 |
|---|---|
| 規模 | 27,556.4㎡ |
| 住所 | 宮城県名取市 |
| 業務内容 | 基本設計、実施設計、設計監理 |
| 施主 | 宮城県名取市 |
| 協働 | 建築:槇総合計画事務所 設備:総合設備計画 構造:構造設計集団SDG 写真:渡辺スタジオ、オンサイト計画設計事務所 |
| 担当 | 長谷川 浩己、三谷 徹、鈴木 裕治 |

