
このプロジェクトは産科婦人科医院と助産院を一体となり、二つの施設をまたいで空間が連続する待合いを中心につくられている。待合ラウンジは室内にあるインテリア空間であるが、空間の在り方は公園に近いパブリックな場所である。そうした思いからインテリアをランドスケープの考え方をベースに空間作りをしていくことになった。ここに来訪するゲストは生の喜びを待つ人たちや、様々な事情により残念な思いをする人たち、連れ添う家族や友人等、様々な感情を抱いて来訪する。それぞれの人たちに居心地よく滞在できる場所として、様々な性格を持つ50席程度のシートと遊戯コーナーを設えることが与条件であった。待合いラウンジは幅5m奥行き30m高さ4mに渡る。来訪者にこの大きな広がりを感じさせつつ、公園のように自由に心地よい居場所を探して滞在させるため、緑の棚とベンチを床のモジュールに合わせてランダムに配置させた。この棚がパーティションのスクリーンとして緩やかに空間を仕切る。密に置かれている所には閉ざされた個室感を、間をあけた所にはラウンジのようなリビング感を与えている。棚には植栽の他にも雑多となりやすい雑誌やおもちゃ、サインが組込まれるようになっており、ベンチと組み合わせることで自由な配置が選択できるようになっている。























Data

前田産科婦人科医院・繭のいえ助産院
Maeda Department of Obstetrics and Gynecology
| 竣工 | 2012年9月 |
|---|---|
| 規模 | 敷地面積約660㎡ |
| 住所 | 静岡県焼津市 |
| 業務内容 | 基本設計、実施設計、設計管理協力 |
| 施主 | 前田産科婦人科医院 |
| 協働 | 建築・意匠統括:SGM+JSA+UAA設計共同体 (清水淳建築設計事務所+ウエガイト建築設計事務所) 照明:スパンコール/村角 千亜希 構造:木内事務所/木内 達夫 設備:設備計画 |
| 担当 | 長谷川 浩己、鈴木 裕治、野田 亜木子 |

