グラフィカルなインフラフレームが統合する居場所と歩行路

シオノギ製薬大阪研究所

Shionogi Pharmaceutical Research Center in Osaka Landscape Design
医療・福祉南関東
シオノギ製薬リサーチセンターは、既存の製薬工場キャンパスの川辺に建つ新たな研究施設である。多様な研究室や実験室を内包する大きなボリュームをもつ建築であり、その計画には、建物周囲の限られた外部空間をいかに扱うかという課題があった。敷地内には地下設備やインフラが密集しており、ランドスケープに使える領域はごく限られている。そのため、放っておけば建物の外部は工場のサービスヤードのような表情にとどまりがちであった。一方でクライアントは、研究者たちが散策し、憩うことのできる緑豊かな環境を求めていた。
シオノギ製薬大阪研究所

そこで私たちは、建物を囲うように、帽子のつばを思わせる正方形のフレーム状の舗装を挿入した。舗装は黒いアスファルトとグレーのコンクリートによるランダムなストライプパターンで構成され、強い視覚的な印象を生み出している。この大胆なパターンによって、建物周囲の空間は単なる管理用スペースではなく、歩き、楽しむための場所として明確に性格づけられている。
同時にこのデザインは、敷地内に点在する多数のマンホール蓋という実務的な問題にも応答している。それらは平行する帯のパターンの中に整然と組み込まれ、偶発的な配置さえもあたかも全体のデザイン意図の一部であるかのように見せている。さらに、リング状の鉄蓋を特別にデザインすることで、水玉模様を思わせるポップアート的な舗装表現も実現した。
舗装帯と敷地境界のあいだに残された細い余白もまた、無駄なく活用されている。樹冠の下には、ハーブや家具を配した小さな休憩スペースを点在させ、研究者たちがふと立ち止まり、くつろげる場をつくり出した。敷地境界のフェンスについても、最先端の研究施設に求められる厳格なセキュリティラインとしての機能を担いながら、庭園的な景観の一部として感じられるよう、細やかにデザインしている。

Data

シオノギ製薬大阪研究所

シオノギ製薬大阪研究所

Shionogi Pharmaceutical Research Center in Osaka Landscape Design
竣工2011年9月
規模34,627.97㎡
住所大阪府豊中市
施主塩野義製薬
協働建築・施工:竹中工務店
担当三谷 徹、鈴木 裕治

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