
毎日の買い物や通勤で通る駅前商業施設の屋外空間は、人々の暮らしに最も近い日常空間である。そうした場所が便利で気持ちよく、そして少しだけ新しい発見のある場であれば、日常の暮らしはより豊かなものになる。そこで、「ここにしかない日常」をコンセプトに、ランドスケープデザインを行った。
コクーン1は駅に隣接し、コクーンシティの玄関口となるエリアである。駅前広場のコクーンガーデンと中央イベント広場のコクーンプラザには、商業的な楽しさを加えるため、ビーンズ型のマウンドやベンチなどを配置した。店舗のファサードを隠さないよう、植栽は背の低いものを中心とし、カラフルな家具と合わせることで、にぎやかで開放的な空間をつくり出している。
コクーン2・3では、敷地全体を滞留空間としてのイベント広場と回遊空間に分け、さまざまな舗装材によってそれぞれの空間を分節し、空間の重なりや奥行きを生み出した。回遊空間では、「地」となる舗装に細かいパターンを施し、敷地外の歩道とはひと味違うプライベート感を演出している。そのなかに高木や低木、花に囲まれた気持ちのよい休憩スペース「たまり空間」を点在させた。既存のケヤキ並木を保存した「けやきウォーク」のたまり空間には遊具を設置し、周りのベンチで親が見守りながら、こどもたちが自由に遊ぶことのできる場としている。
植栽計画は、庭ごとにテーマカラーをもたせた華やかな「テーマガーデン」と、常緑の定番植物で構成された落ち着きのある「ベースプランツ」に大きく分けている。特にテーマガーデンでは、設計段階から協力いただいている造園業者の力を借り、季節の花を多種織り混ぜて維持管理を行うことで、季節の移ろいとともに変化する表情を楽しめるようになっている。
イベント時のにぎわいと穏やかな日常、華やかさと静かさ。毎日の出来事とともに表情を変える屋外空間が生まれることで、人々の日々の暮らしが少しでも豊かになることを願っている。











Data

コクーンシティ
| 竣工 | 2015年3月 |
|---|---|
| 規模 | 63,760㎡ |
| 住所 | 埼玉県さいたま市大宮区吉敷町4-263-1 |
| 業務内容 | 基本設計、実施設計、設計監理 |
| 施主 | 片倉工業株式会社 |
| 協働 | 建築・構造・設備:大成建設株式会社 サイン:株式会社竹内デザイン 写真:吉田 誠、有限会社オンサイト計画設計事務所 |
| 担当 | 戸田 知佐、原 行宏、小林 海子(元スタッフ) |
| メディア掲載 | 『月刊近代建築』(近代建築社、2015年6月号) |
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